何を目当てに?と思ったら、観る前からひとつに絞れなくて困ってしまうくらいに観るべきポイントがぎゅうぎゅうに散りばめられたに映画『オーシャンズ8』。
公開初週、さっそく観てきました!
ネタバレ無し感想
サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェットなどのベテラン勢はもちろん、新人のアジア系オークワフィナ、『ヴァレリアン』の宇宙人役の印象も新しいリアーナの新しい役どころなど、ほかの出演者それぞれに見どころがあってよかったです。
どの出演者も魅力的でしたが、特に私のお気に入りはアン・ハサウェイ。彼女の才能がまたひとつ花開いたな!と思った。
お盆の時期ということもあって、劇場はほとんど満席でしたね。たくさんの人といい雰囲気を共有できたのも満足度高し。
観る前のイメージ通り、オシャレでゴージャスでテンポの良い、楽しい映画でした!
ネタバレあるかも警告
ここからはネタバレあるかも?ないかも?なので、まだ観てない人は気をつけてくださいね。いちおうないつもりだけどネタバレって主観の問題だからね。
さて、謎解きや仕掛けがふんだんに散りばめられている本作ですが、予告編を観てもそれらの魅力はまず損なわれることがないほど盛りだくさん。未見だけれども引き続き読まれるという方は、手始めに雰囲気だけでも味わっていただければと思います。
▼予告編をどうぞ
これまでのシリーズとのつながりは?
本作はオーシャンズと名付けられた映画シリーズのナンバリングタイトル!
メインキャストの入れ替わった続編という位置づけです。8ってついてますけど通算4作目になるのかな。リブートではない。スピンオフというほど離れてもない。
実は私、これまでオーシャンズシリーズを観た覚えがなかったので。
新作が来るならいちおう観ておかねばということで、前もって『オーシャンズ11』『12』『13』と全部チェックしたんですよ。ジョージ・クルーニーとかブラッド・ピットが出てるやつ。
それらを全部踏まえた上で、僭越ながら観ておく必要があるかどうか判定をさせていただくならば、『オーシャンズ8』に備えてシリーズ過去作を抑えておく必要は…ありません!
とはいえもちろん、世界観がつながっているので、観ておいたら嬉しいポイントはありますが、知らずに観て気になることがあったとしてもせいぜい、なんか唐突だったな?まそんなもんか?と感じるくらいで、まああんまり気にならなさそうです。
「過去作観て置くべき度10%」くらいです。
「過去作観ておくと嬉しい度」もそのくらいかな。
オーシャンズ8を観てから過去作に戻るのも楽しそう。
「メットガラ」がすこしだけ身近になる
今作に限らず、オーシャンズシリーズは、たくさんの粋なやりとりや小洒落た演出が大胆な本筋の全編に散りばめられていて、ほんとに見どころが多いですよね。「場面転換やシーンの区切りが多くて落ち着かない」のと「テンポが良い」ことを紙一重くらいまで迫ってやってるような印象。
そんな雰囲気から醸し出されるゴージャスさは本作も同様!
どこか1箇所だけを気にしてることなんてできません。全編が見どころ!
だからこれは観終わって何が印象に残ったか。といった角度のはなしなのですが。映画の印象というか知識的な意味で。
それは、映画のメインステージとなる、「メットガラ」。METガラ。MET GALA。表記はいろいろ。
いままで聞いたことはあったんですよ。ツイッターとかで。ハリウッドセレブの「メットガラの衣装」とかなんとか。
何かな?と思ってた。場所かな?イベントかな?とは思っても、何をするのかまでは調べようとも思わなかった。
それがガッツリ映画の中に出てきたおかげで、VOGUE主催の「パーティー」であること。そして会場はニューヨーク「メトロポリタン美術館」であることがわかった。セレブたちが着飾って集う。
映画が終わってもうちょっと調べたところ、「メット」がメトロポリタン美術館の略称で、「ガラ」はお祭りみたいな意味なんだって。
おかげさまでこれからは「メットガラ」の話題を見かけた時に、ほうほうあれね、セレブたちの会食パーティーね、ファッションにも注目よね、っていう前提を分かったうえでそれを眺めることができるようになった!
こうやって少しずつ、人生が豊かになっていくのよね~。
アン・ハサウェイかわいい
私、アン・ハサウェイ好きなんですよね。まあみんなも好きだと思うけどさ。
これまでのベスト出演作をあげるなら、うーん、お歌の上手な『レ・ミゼラブル』でしょうか。まさかのキャットウーマン『ダークナイト・ライジング』でしょうか。どっちも2012年だ。あああ『インターステラー』もよかったよね~~~人間って感じで。とまんねーなこの話。『シンクロナイズドモンスター』も観てね。
それでまあ今回のアン・ハサウェイはね。女優役。売れっ子で目立ちたがりな。だからなんか大げさだったりわざとらしかったり、見たことない演技が観れました。
今回は出産後の撮影ということで緊張もしてたらしくて、仲間たちに励まされたエピソードなんかも見かけてほっこりできたのもよかったです。
リアーナ、出産後太ったアン・ハサウェイの体型を見て放った一言とは? - FRONTROW
リアーナもよかった。私は歌手としての彼女をほとんど知らないから、『ヴァレリアン』ぶりにお会いできましたね!という気持ちで見てましたけど、ビジュアルもキャラクターも良かったと思う。彼女もこれから女優の仕事が増えていくのかな。
アン・ハサウェイのドレスもすごくよかったけど、ファッションがいちばんかっこよかったのはケイト・ブランシェットかな~。ウォッカのくだりで登場するから勝手にロシア人と思ってたけど、オーストラリア人という設定だったみたい。スーツとか革ジャンとか、パンツ系ロック系でキマってました。
こんな感じで、場面のどこに注目してもいくらでも語れることがばんばん思いつく映画です。
私的解説:2018年のいま眺めるべき映画
たぶん #MeToo とかのセクハラ問題とか、ジェンダー的な話題とかさ。
映画の中の話題に事欠かないので、映画外の話題もいまはたくさんありますよね。
いま世界にはいろんな話題があるし、これからもそういうことは尽きなくて、本作はきっとそういった側面からも切り取られざるを得ない作品だろうとは思うんだ。「女性だけでやる」ってことが、作中でも強調されてるくらいだし。2018年夏現在は、そのことがメッセージ性や特別な意味を持っちゃう時期。
でもさ、同じことばっかり繰り返して恐縮なのですが、この映画には、語っても語っても尽きないくらいたくさんの見どころがたくさんあって。それらをいちいち理解しきれなくても、どれもいちいちオシャレでかっこよくて。
今だからこそ、そういう映画として観ていいんじゃないかなって思うんですよね。メッセージ性とか見出したり取りざたする必要、ありますかね??
だってそもそも主人公犯罪者ですからね。反社会的かどうかなんてトピックこそ直球なはずなのに、それって過ぎる議論でしょう。19世紀や20世紀ならまだわかんないけど。今語られがちな話題も、そういうもんなんだろうなって気がするのです。そんなことより素敵なことたくさん詰め込まれてるよねって。
特に…ここに書きたいけど本編で観てほしいから書かないけど、サンドラ・ブロックのクライマックス前のセリフなんか、謎のカリスマがビンビンにキマりまくってて。めちゃんこすごいパワーがあるの。
語られてる言葉自体はまじに受け止めちゃうとなんだかふわふわよくわからないけど、よくわからないのにかっこよくて、間違いなく観た人みんなの心に残る。
そういう謎の説得力がある。
そしてそのセリフに象徴されるように、オーシャンズ8はその本編全体を通じて、そんなに親切でもわかりやすくもない。なんなら粗もいくらでも探せると思う。
でもとにかく上品でカッコよくて一流で。そういうことをそういうもんなんだとだけ受け入れて、眺めていられるってのは気分がいいものではないですか。
教訓なんかなくて、いろんな価値観があって、あらゆることに憧れはあってもよくて。印象だけが心に残り、作りはひたすら上質。ぜいたくな2時間だな、ありがたいなうれしいなって思いました。
2018年の公開当時の現在、劇場で観る価値のあるといえる作品のひとつ!
そのうちお家で観るんでもいいけど、お盆休みに映画館に行けるならぜひ候補にいたしましょう。
この記事を書いたのは、なかよし