これはなに?
スペイン、マドリードにあるプラド美術館の収蔵品を観られるエキシビジョン。
国立西洋美術館にて、2018年2/24~5/27の会期で開催中。
どんなもの?
近世のスペイン絵画がラインナップされています。
ところでスペインの絵や、スペインの画家と聞いて、何かピンと来る人はどれくらいいるんでしょうか?
ちなみに私はなんにもピンと来ません。ピンとはきませんが、ベラスケスという人の名前だけは聞いたことがありました。
今回ようやく「へえ、スペインの画家なんだ~」ということが分かりました。
なお写真は撮れないエキシビジョンでしたので、写真は一切ないです。
たのしいね!
ディエゴ・ベラスケスは、1600年代の前半に活躍した画家です。20代で国王フェリペ4世に取り立てられ、宮廷画家になったあとはみるみる出世して、晩年まで宮廷の重職として過ごしました。
キャリアの殆どを王宮で過ごした上に多忙ということで、作品は多くないそうです。半分以上がプラド美術館に収蔵されているとのこと。
そういうわけで今回、日本にいながらにしてその貴重な作品が拝める機会となりました。
私のベラスケスの印象は、とにかく絵が上手。
非常に写実的な表現の一方で、描かれた対象を身近に感じてしまうようなアレンジやデフォルメを効かせてくる。あとは見え方、見られ方をすごく意識してると思う。意識しすぎて直接モチーフに取り入れた場合にはトンチみたいになってるところすらある。
ベラスケス以外の作品もたくさん来ていて、特に謎の男の顔がよかったですね。作品名は忘れました。
とにかくでかいんですよ。顔のドアップが。すてきな顔でした。
でかさってのはあれらの絵画を鑑賞する想定としては、きっとほんとに重要で、宮廷の絵ってのは、用途があって描かれてるものが多かったと思うんですよ。
別荘のあそこに飾りたい、とか、今度こういう絵が欲しい、とか。
だから、例えば冒頭の写真の、馬に乗った少年の絵、あれはベラスケスが描いた王子の絵ということなんですが。王宮の扉の上に飾られていたそうで。
あんなでかい絵をドアのさらに上に飾れるスペースに思いを馳せますし、美術館ではほとんど横から眺められるので、違和感のあるバランスも、見上げる気分で読み解くとなんだか納得できるのかな~といった感じです。
やっぱ本とかね、テレビで観て、知識として絵を知るのもいいけど、実物を観られると、筆さばきとか息遣いを感じて、作品を通じて作者とつながる…みたいな気分もなくもなくもないですけど。なんといっても「こんなでかいんだ!」とか「案外小さいな!」みたいな。
根源的なことが、身体的な実体験として分かることこそ醍醐味じゃあないでしょうか。
あとは今回、お土産コーナー充実してましたね。もーどれもおしゃれ。気が利いてる。絵画の一部だけがピックアップされたトートバックとか、全部ほしかったもん。
図録も、通常の大判のものとはべつに、ミニ図録という珍しい試みの品があって、そんながっつりした解説はいらないから絵だけ眺めたい。みたいな欲求にも応えてくれる仕様でした。
もうすぐ終わっちゃいますけど、おすすめです。
上野以外にも巡回するのかな?
機会があればぜひ。
この記事を書いたのは、なかよし。