#たのしいね

楽しかったことばかりを書いておくので、何かの参考にしていただければ幸いです。映画とかボードゲームとか、ときどきミュージアム。

【映画】『世界で一番ゴッホを描いた男 / CHINA'S VAN GOGHS』

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この映画、そもそもタイトルに疑問があるじゃないですか。

「ゴッホを描く」ってどういうこと?

ゴッホの似顔絵を描く?贋作?

世界で一番って何??

なんだか面白そうだったので観てきました。

 

どんな映画?

複製画の制作が一大産業になっている中国の街、ダーフェン。

そこでは油絵職人たちの手によって、様々な有名絵画が年間数千数万の単位で複製されている。機械ではなく、手作業。顧客の多くはヨーロッパ。

そんなダーフェンで20年間働く「画工」の男性、シャオユウの暮らしを追ったドキュメンタリームービー。

 

予告編▼

youtu.be

公式サイト▼

chinas-van-goghs-movie.jp

 

観た感想とか

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ドキュメンタリー映画!

ふだん全然観ないジャンルです。もしかしたら劇場で観るのはこれが初めてかも知れない。

ドキュメンタリーって、「雰囲気で感じろ!解説はない!」とか「ありのままを描いた!ありのままを観ろ!」みたいな作品が多いという偏見が私にはあるのですが、本作は随分わかりやすい作りで、よかったです。

題材によるものですかね?

なにせ、20年間ゴッホの作品(しか描かないわけではないようだけど)のコピーばかり描いているっていう設定にすでにパンチがありますし、後半のクライマックスに向けた流れがすごくドラマチックなんですよ。

20年間描いているけど本物は観たことがないっていうのがもうすごいのに、そんな男が生まれて初めて本物のゴッホを見る機会を得るっていうのは、すごいダイナミクスですよね。

 

鑑賞後には思わず買ってしまったパンフレットによると、どうやらこの作品の取材には、6年間も掛かってるらしくて。

たしかに服装が何回も代わるんですよね。季節がめぐってる感じがすごくある。子どもの成長とかに注意してたらもっと気がつくことがあるかも知れない。

そんな長期の取材のなかで、見えてくる物語に、シャオユウ固有の人生を中心に、ダーフェンでありがちな課題や、いまの中国が抱える問題みたいなものが無理なく散りばめられたバランスの良さも感じました。

 

ほんの数分か数十秒のシーンなんですけど、アムステルダムのゴッホ美術館でひたすら絵を見つめるシャオユウとか、無音で印象的で、じーんときますし、帰国後、故郷で「最も敬愛する」おばあちゃんの似顔絵や、街角の風景を描き始めるくだりとか、なんだか泣けてきちゃいました。

帰国したあと仲間と飲みに行って。

美術館で人に「20年間もゴッホを描いてるんですか!素晴らしい」っていわれて、「あなたはどんな絵を描くんですか」っていわれて、そういえば俺は自分の絵を1枚も描いてないと思ってハッとしたって話すんですよ。

それで、俺は所詮職人なんだ、芸術家じゃねーんだ、みたいなことを言うんですけど。仲間は「そんなのは呼び方だ、大事なのは自分の心だ」みたいなこと返すと「こいつ今いいこと言った!カンパーイ!!」つって、しょうもなさそうな飲み会は続くんですけど。

そういう断片的なエピソードの切り取り方、見せ方が、とってもいい感じに仕上がっている映画でした。字幕の訳もよかったのかな。

パンフレットには、シャオユウの絵をもっと載せてくれたら嬉しかったなあ。

 

とりあえずアムステルダムの顧客が、この映画を観て、シャオユウの絵をもっと高い絵で仕入れてくれるようになるといいなってことをいちばん思いました。

 

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映画たのしいね、なかよし☺