たのしいね、

好きなものぜんぶ書く。

ロシア版アベンジャーズ(あるいはパディントン)『ガーディアンズ』

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これはなに?

ロシアからやってきたスーパーヒーロームービー。

むっちゃ早く動く剣士、岩がないからムチを鳴らすヒゲ、ガトリング砲を乱射するクマ、そして透明な美女が出る。なんなら美男美女がもりもり出る。

明言しておくけどオススメはしない、オススメはしないけどぜひ観て欲しい。

 

どんなもの?

ロシア映画って観たことある?

ないならじゃあ、ロシア人と言葉のやり取りしたことは?

ソ連映画でもソ連人でもいいけど。ちなみに私が明確に覚えてるのはソ連映画「不思議惑星キンザザ」。でもキンザザの話はいまはやめておくね。

それでね、もちろんね、ステレオタイプっていうのは、なんだって例外だらけなんですよ。

ロシア人が日本人について語ってるのを聞いたら多分、そんなやついねーよって思うでしょう。それと同じことですよ。きっと日本人の思うロシアっぽさなんて、そんなやついねーよってなるんでしょう。

でもしょうがない、「ガーディアンズ」はあまりにもロシアみたいな映画だ。これってロシア人が考えたんじゃないの?みたいなことばかり起こるし、ロゴとかテロップとかもぜんぶロシア語なんだもん。もうこんなのロシアとしか思えないじゃん。

とはいえですよ、何をもってロシアっぽさとするか?なんですけど。

過去に私はロシア人と一度だけ、仕事をしたことがある。印象としては、ロシア人というのは良くも悪くも大味で、どんぶり感情で、大鉈を振るう。みたいなことが言えると思う。

とにかく彼らは、魅力的で理想的な外枠を描くことは本当に得意だ。たぶん世界一だと思う。スケールの枠なんか度外視してくる。ウォッカを常飲しているだけのことはあるなと感心した。

その代償に、枠に収めるとか、小さくまとめるとか、綿密に段取りを組むとか、そういうことはまるでやらない。たぶんそんなことはウォッカ的ではないからだと思う。もしもロシア人が細かいことや理想的ではないことに目を向けてしまったら、あっというまにダークサイドに振り切ってドストエフスキーみたいになるんだろう。それがロシア。

ちなみに私が一緒に仕事したロシア人はドストエフスキーみたいなほうだった。

で、そんな文化圏で、アベンジャーズを作ったら?

ちなみに…ちなんでばかりでそろそろ申し訳ないんですが、アベンジャーズの制作費とは2桁ほど違うから、ほんとは比べちゃダメ!

そして日本版映画ポスターの煽りには「ロシア版X-MEN」って書いてあるけど、どう考えてもファンタスティック・フォーでしょ。でも通りが良さそうだからアベンジャーズにしておくよ。みんなもそう言ってる。

今更だけど「アベンジャーズ」を観てない人とはこの話を続けることは困難だ、ごめん…まあハリウッドのすげえアクションムービーだと思って。いろんなヒーローが力を合わせる。マーベル版ジャスティスリーグっていえばわかる?? まあつべこべ言わずいますぐ観たらいいですよアベンジャーズは。

 

たのしいね!

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まずは予告編を観てくださいよ。もう観た?ありがとう。

じゃあ悪い知らせから伝えようね。

あなたが観たいと思ったものは、この映画本編を観てもきっと観られない。

我々はあまりにも無自覚にハリッドナイズドされてしまっており、予告編で描かれない部分がきちんと描かれると思っている。本編を観れば今私が話していることがわかるだろう。すこしは口頭で匂わされる部分はあるかもしれないが、尺を撮って映像できちんと描かれたりはしない。

だが勘違いしないで欲しい。描かれないことは、この映画が劣るとか、ミスがあるわけではないと思う。こう考えてみよう。あなたが観たいと思っていたようなことは、この映画においてはきっと意図的に、徹底的に排除された、描くまでもないことなのだ。

そして良い知らせ。「観たい」と思ったものは観られないだろうけど、「観よう」と思ったものはすべて観られる。

予告編を観ただろう。なんかめっちゃ早く敵を切る男、ガトリング砲の弾をばらまくクマ、なんか美女、お尻、その全てが徹底的においしそうな角度でフィルムに収まっている。これらはぜんぶちゃんと本編で観られるものだ。もっといいシーンもある。空飛ぶクマちゃんとか!

昨日記事を書いた『バーフバリ』で語られたのが「王道の神話」だとすれば、『ガーディアンズ』で描かれたのはおそらく「王道のヒーローみ」である。つよさ、ただしさ、かっこよさ、うつくしさ、つごうのよさ、あと美女。それらを組み合わせた、なんかすごい絵。ガーディアンズにはオタク的憧れが憧れのまま陳列されている。

断片的に語られる情報…なんかすごい能力があるとか、なんか含みのある過去とか。とにかくそれらはある。あるといったらある。ただし活かされたり掘り下げられたりすることはない。そんなハリウッドみたいにチンケなことは、ロシア人は好まないのだと思う。本編89分しかないしね。

ロシア人はこちらの心証にすり寄ったりしない。理解できるように噛み砕いてもくれない。

私は途中から「ロシア人でそんな疑問を持つやつはひとりもいない」と自分に言い聞かせながら観ようと気持ちに切り替えた。

脚本が足りないのではない。予算が少ないのではない。納期が迫っていたのではない。「これが狙い通りの姿なのだ」と考えを改めるべきだと考えたのだ。

※個人の感想です。

 

以下私の理解したガーディアンズあらすじ(ネタバレ的なこと)。

最新戦車つよいよ→やっべー最新戦車奪われたなんで??? 犯人はなんとか博士。めちゃ強い。なんとかせな。ロシア軍には秘密組織「パトリオット」があるよ。パトリオットが「ガーディアンズ」を集めるよ。でもあいつらどこにいるかわかんないけど探せ→よし探せた。でも素直に協力してくれるかな~?→エスパー、剣士、クマ、美女、全員OK。とりあえず敵のアジトに行ってみるね。作戦なんかないんで個別に撃破されちゃう。クマは強い。でも網に弱い。美女は透明になれる。でも敵はその姿が見える。剣士はむっちゃ早い。でもなんかぴゅっとされたら捕まる。エスパーは博士に殴られたので負け。捕まっちゃった!→すぐ救出されたよ。味方が裏切るけど理由や動機はわかんないけど、それよりなんとか博士がやばいね。あいつでっかい電波塔建てて悪いことするみたいだよ。やっべー阻止しなきゃ。行くときはもっと準備しよう。準備のシーンがなんなら戦闘シーンより長いけど特に伏線とかはないよ。なんだかんだ博士が強すぎてやっぱり負けるけど、元気玉でガーディアンズの勝ち。ところで続編あるよ。作るとは言ってないけど。

あらすじおわり。

(なんでいつもわざわざ書かないあらすじ書いたかって言うと、某ラジオの某うたまるさんの番組内での解説と、私の観た内容が食い違っていたから誰かに答え合わせをして欲しくてだよ、でもまあそんなのはロシア的にはどうでもいいことだけどね!)

 

ほんとさ、世界ってなんでこんなにも豊かなんでしょうか。私は楽しくてしかたありませんよこんなの。日本公開してくれたGAGAさんほんとありがとう。私は文化の多様性に感謝しますよまじ卍。

映画館が空いてそうだったから、よかったらあなたも「ガーディアンズ」観てきてね。ほんとオススメできないけど。この世界の豊かさを劇場で味わう価値は大いにあると思うんだ。

あとさ、音量でかすぎるから私は中から耳栓代わりにイヤホンして過ごしたよ。あなたもなんか用意しておいたほうが良いかもしれない。

もし観たら教えて。私とお茶でもしながらガーディアンズとロシアの話をしよう。それじゃあまたね、スパシーバ!

 

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次回作も劇場で観たい、でも音量はもう少し小さくして欲しい、なかよし。