アーツ千代田で2019年12月7日~15日の日程で行われていた、ゲームとそうでないものの境界に挑むエキシビジョン!
2018年5月から1年半ぶり、なんと2回めの開催です。
どんな展示?
商業とインディーズのボードゲームの分野で活躍する17組の日本人ゲームデザイナーが、この展示のためだけに実験的な作品を制作し、来場者は(それが遊べるものであるならば)それを会場で遊ぶことができる!というイベントです。
アーツ千代田は、もともと小学校だった建物を多目的ギャラリーとして改装された施設です。
今回の「なのか展」の会場は、1階に位置するメインギャラリーといってよい部屋。もとは職員室や校長室みたいな感じだったのかな~という、複数の部屋が連なった作りになっています。
同じ会場では以前、シド・ミード展を観たことがありましたね~。
たのしいね、観てきた感想!
会場の様子です。
この日は平日、開場間もなくに行ったおかげで、好きなものを好きなペースでみることができました。土日はもっとたくさんの人が来ていたそうなので、ゆっくり観るのは大変だったかもしれないね。
たくさんの展示があったから、全ては書ききれないけど、例えばこの写真はどうやって撮ったのかというと…。
会場に点在するこのような高い椅子。テニスの審査員が座っていそうなやつです。
舞台芸術の方が作った「視点を変える」「会場を俯瞰する」といったテーマの展示だった。と思う。
もちろん自由に登って座ることができます。
違う椅子に座ると、視点が変わってこんな感じ。
高い位置から会場を見下ろしていると、会場を歩く人からの視線をチラチラ感じます。
見ているのか。見られているのか。そういうインスタレーションでもある。
登った人にしか見つけられない、壁際の小さなパネルもあったり。
そして会場を回ってるうちにあとで知ることになるのですが、この椅子に座る人の様子を、定点カメラで観察するためのモニターを置いてある展示もあった。
これは架空のレコードジャケットに収録されている架空の曲名を考える展示。CDだったかも知れない。
ポイントは、自分で考えたタイトルが並ぶところはきっと目にすることができないこと。
みんなで書いたタイトルのカードが山札になっていて、自分の書いた山札はその1番したにしまう。1番上のカードを引いて、好きなジャケット絵のところに並べる。
並べたらそれらを眺める。そういう展示。
わたしの書いた「みんななかよく☺」はどうなったかな、誰かがどこかに並べてくれたかな。
もし写真に撮った人がいたら、見せてくれるとうれしい。
会場内に点在していた「幽霊」と名付けられたコーン。
かなりしっかりした作りで取っ手がついていて、来場者はこれを自由に移動させてよい。
通路の真ん中に置いてみたり、他の展示の前に置いてみると、他の来場者の動きが変わっちゃう。私達は普段、もはや意識もせずに三角コーンに進路を誘導されている、ということがよくわかるよね。
さまざまな呪いを背負った来場者が会場に放たれる「ゲームの住人」もそうだったけど、この辺のやつが特に興味をそそるところは、他の展示に介入できる作品であるということ。
ある来場者が従っているルールが、ほかの展示を観ている来場者の意識しているルールに干渉して、鑑賞の体験を様々に変えていくのは、このイベントならではの出来事だったのではないでしょうか。
「なのか展」は、個別にみればルールや作法が規定された「ゲームの展示」が並んでいるけれども、全体の印象としては「ゲームの展示」というよりも「アートの展示」だ、と思わせたのは、こういった仕組みによるものだという気がしている。
遊ぶことはできず、ただ見るだけの展示もあった。
右手の壁に貼り付けられているのは、それぞれあるゲームで遊ぶときに使うチップやタイル。
箱から取り出され、キャンパスに貼り付けられたとき、それでもこれはゲームなのか。テーマにいちばん直球のやつだなと思いましたね。
もともとかわいいゲームではあるんだけど、貼り付けられて飾られた絵として眺めてもなかなか、かわいい。
売店もあった。
参加している作家さんや企業のアイテムが並んでいる。「幽霊」も買えたみたい。
私は「はじめま10」という自己紹介のゲームを買ったよ。初対面で自己紹介をやること自体がゲームなるという、すばらしい作品。
これ自分で考えたかったな~と思ってる(笑)
1回目のなのか展には行けなかったので、2回めのなのか展が私の初鑑賞。
行く前に予想していたよりも、かなりしっかりと内容の規定やルールの記述がなされた作品が多かったこともあり、テーマの問いかけに対しては、私にはおおむねどれもゲームであるように感じました。
もしかしたら日頃からゲームについて考えている作家よりも、あまり作ろうとする立場でに慣れていない人のほうが、思いがけない視点を得られるような楽しみが多かったのではないかなと思います。
自分が出展するんだったらどんな作品出すだろうか?などと考えて、あれこれ楽しくなっちゃいました。来場したゲームデザイナーの人はきっとみんな、そうだったのではないかなあ。
そうやって出展側に思いを馳せたとき、ああいった内容のイベントを、全体の統一感を保てるようにコーディネートしながら企画運営されていたことは、なによりすごいことに思いましたね~!
会期はもう終わってしまったけれど、「これはゲームなのか展」の図録などは、あとから手に入るんじゃないかと思うので、気になる方は公式サイトやツイッターで、引き続きの情報を追ってみるのがよいかと存じますよ!
▼公式ツイッター
これはゲームなのか?展 (@isthis_a_game) | Twitter
▼イベント公式サイト
▼まことさんもこのイベントについて書いています。
【イベント】『これはゲームなのか?展 #2』 - #ボードゲームたのしいね
この記事を書いたのは、なかよし