前方後円墳を知ってますか
私は「大仙陵古墳」しか
知らなかったし
他にもたくさんあるなんて
ぜんぜん知らなかった
ある日、
母と雑談中に
「大阪に行ったときに
見た古墳が最高だった!
本当はゆっくり見たかったけど、
学会で来てたから全然見れなかったの。
飛行機から見えた古墳群を
しっかり見たかった~!」
という話を聞いた
私の母は古墳が好きだったのか
そのことを初めて知った
そういえばたしか、
なかよしさんがついこのあいだ
古墳を比べるゲームを作ってたっけ
イベントがなかったから、
手元には持っていない
母はゲームをやらないけれど
話の種にはなるだろうかと
すぐになかよしさんに頼んで
送ってもらった
届いたゲームを見た母は
「歴史まんがみたいな絵!」
などと言いながら
興奮気味にシュリンクを破っていた
そんなに取り乱すものかな
箱を開けた母は
すぐにカードを手に取り、
そこに描かれた写真を見てる
わたしは箱に取り残された
ゲームの説明書を読み
そのルールを母に説明しようとした
古墳の時代、大きさ、高さ、
そのいずれかを比べるゲームだって!
並んでる古墳を見比べて、
あっち大きいだの
こっちが小さいだの
いいながら遊ぶんだって!
みたいなことを
説明しながら準備を進めたのだが
結論から言うとゲームは遊ばなかった
母はかつて
日本史の先生に
なりたかった
しかし何故か母は
看護師になった
そんな歴史好きの母なので
ゲームのカードを指差しながら
たっぷり3時間ほど私に向かって
前方後円墳とそれにまつわる知識を
とめどなく聞かせてくれた
母は楽しそうに
一枚一枚のカードを見ながら
「これはなんの古墳かな?
わかんない、Wikipedia見てみよう」
などとと言っては調べ
「なるほど! これは何とかって人が
祀られていて…そうそうその何とかって人は
なになにをしたひとでね!」
といった調子で説明しまくっていた
それはまさに
歴史の授業という感じだった
生徒はわたししかいなかったし
情熱があふれすぎた母の解説は
聞いてても訳がわからなかった
だからもしテストがあったら
完全に落第すると思うけど
それから日をまたいで
何回かゲームに誘ったが
このゲームのカードを広げ始めると
また古墳の、そして歴史の話が
始まってしまうのだ
しまいには
「うちは菊池一族の出でね!
菊池一族と言うのは、、、、」
などと、自分の家系の
出自を語り出した
その日はそれから一日中
わたしは知る由もない一族の話を
聞く羽目になった
飯を食ったり
別の話をしたりもしたが
何周か回るとすぐに
一族の話に戻ってきた
それにしてもこの人、
昔の歴史に詳しすぎやしないか?
それも何で
平安や鎌倉時代だけに
やたら詳しいんだよ
近代史は苦手というだけあって
明治大正昭和はからっきしで
戦国時代も興味ないとか言っちゃって
熊本県民なのに
「加藤清正なんてよそもんじゃん!
熊本城なんか作っちゃって」
などと
地元の名将を外様扱い
土着の愛が過ぎるのでは
とにかくそうやって
いろいろ古墳のカードを見比べながら
「わたしの時代とは知識が違うから
頭をアップデートしなきゃ!」
とか言って喜んでいた
そうやって多くの
ちんぷんかんぷんな時間を過ごしたが
楽しそうな母を眺めているのは
とても良かった
ルールに沿った遊びは
まだ出来ていないけれど
これはもはや、
このゲームで遊んだといえるのでは
『コフンクラベ拡張:母と歴史』
私は久しぶりに
歴史の講義を受けた気分
ゲームの楽しみ方って
こんなに広いのかよ
母にもよいものを見せられたな
この記事を書いたのは、まこと
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