これはなに?
マコーレー・カルキンよりウサギのほうがよっぽどヤバイってことが分かる教育映画。
実際に火薬が飛び交うことから戦争映画でもあると言える。
難あり男女のドタバタラブ・ストーリーでもある。
どんなもの?
かわいい絵柄の、うさぎの絵本シリーズは知っているかな?
一旦その本のことは忘れてね。
舞台はイギリスの田舎町、森の動物達と人がとても近いところに暮らす。
近いところに暮らしているからこそ、仲睦まじくとは行かないこともある。
人は育てた農作物を奪われ怒り狂うし、ウサギは家族を殺された恨みを決して忘れることはない。
もっと正確に言うと、父親を殺されてパイにされて食われた恨みなのでそこそこえげつない。人間のお尻に人参を刺したがるくらいのことは大目に見てあげてほしい。
ちょっぴり過激なウサギの兄弟だけでなく、ブタやニワトリ、歌うスズメ小隊、都会ネズミも出てくる。
たのしいね!
のほほん、ほっこり、していそうなピーターラビット的世界観への挑戦があまりに目立ってそれ以上の思考が止まりますが。
この『ピーターラビット』は、ほんとはなんだかもっとヤバイことをやってんじゃねーかなって思いばかりが募っています。
映画を楽しむにあたっては、どのへんを常識にするのかな~っていうリアリティラインみたいな話、あるじゃないですか。
私達の暮らす現実世界の常識。
それとは別に用意され描かれた映画の中の常識。
例えば動物は服を着ませんし、基本的には道具を使いませんし、会話もしませんよね。普通はね。
映画だからさ、多少のフィクションはそういうものかなって思って、受け入れようとするじゃないですか。
ところがですよ、この映画ではところどころ「ウサギは服を着ないだろ?」みたいなこと言い出す。
なのに大して吟味されないままお話は進んでいく!
これはいったいどういうことだ!?
当初の国内プロモーションが「ハートウォーミング系」だったし、いまだにビジュアルもそんな推し方ですよね。
うっかりファミリー向け子ども向けの退屈な映画でしょ?みたいに思い込んでいる方、少なくないんじゃないかという印象ですが、実際には刺激的で笑いの止まらないエキサイティングな映画ですよ!
ギャグの被せ方やしつこさを引き合いに出すなら、デッドプールくらいの感じです。アクションシーンはスティーブン・スピルバーグの戦争映画などを参考にして撮られているらしいので、ご参考までに。
ポップコーンでも貪り食いながらみんなでゲラゲラ観るのにオススメのご機嫌ムービーです。
そろそろ外を出歩くには暑いし、休みの日の涼しく楽しい過ごし方の候補にどうぞ!
ウサギがウィンクするのを観たら逆らわない、なかよし。