これはなに?
大河「西郷どん」の感想。せごどん、と読むそうです。
画像は渡辺謙演じるところの島津斉彬様。
<マイあらすじ>
天保11年。
西郷小吉という少年が島津藩(今の鹿児島県)にいた。もちろん後の西郷隆盛。
島津藩では郷中という町内会のような地域の区割りで男子の教育を行っていた。小吉は郷中でのリーダー的存在、たぶん。地元のお祭りで活躍したりする。あと、うなぎを捕まえるのが得意。
後の妻、糸ちゃんは同じ地元の出身。足が速い。郷中に憧れており、男児になりすまして行事に混ざったりする。バレたのでもうやらないと思う。あと後の大久保利通(おおくぼとしみち)である正助とかもいる。明治維新オールスター感が強すぎてすごさがよくわからないけど、とにかく歴史的人物の少年時代が何人も混じっているようだ。
小吉は、次期薩摩藩主となる渡辺謙、もとい島津斉彬(しまづなりあきら)と出会い、怒られたり褒められたりする。斉彬は島津藩内や自身の出世のことよりもアヘン戦争などの国際情勢が気になってるタイプ。江戸にいなければいけない身でありながら、影武者を立てて薩摩に戻ってきているという。こっそり大砲の試作とかしている。父も異母弟の母も、そんな斉彬の振る舞いを快く思っていない様子。
喧嘩で肩に大怪我を負い、刀を握れなくなってしまったと悲嘆にくれる小吉。斉彬は、これからは刀に頼らない強さが必要だ、そういう侍になれと励ました。
どんなもの?
天保11年(1840年)のみんなの年齢!
●西郷小吉:13歳
●大久保正助:11歳
●島津斉彬:32歳
渡辺謙が別格のオーラを放つ斉彬様は現在32歳。当時薩摩にいたという記録はない、という大河の設定がぐっと来ました。劇中で許しを与え、劇外の設定に許しを与え、そこに説得力しかない渡辺謙の存在感が別格。
渡辺謙の島津斉彬の大河も観たい…ああ今年はそれも観られるってことか、すごいねっ
たのしいね!
田舎の、昔の。ノスタルジックでファンシーな雰囲気が漂いますが、ところどころにそれとは不釣り合いな物騒さが顔を覗かせます。
刀でケンカしたかやつはこの場で切腹しろ!とかいっちゃうあたり、なかなかの価値観が偲ばれます。薩摩の武士像。
郷中教育を施されるのは男児のみ。女子は道の真ん中を歩けば殴られるし洗濯物も別。みたいなことが言及されるあたりもきっと、1話で提示したかった物語の世界設定なのでしょう。
江戸の世は成熟し、一見安泰に見えるけれども、成熟したが故の武家の倦怠感もあるし、外国に目を向ければ不穏であり、動乱の時代が迫る予感がする。そして日本の子どもたちはお腹が減っている。
明治維新でのちの日本を動かす少年たちと、岩にcangoxina(かごしま)の文字を刻み、桜島を望む丘で終わる、印象的な第一話のエンディング。
これからのお話が楽しみですね!
<ここがぐっと来た>
●物語が、現代の、上野公園の西郷隆盛の銅像から始まったところ。私たちの生きる今と地続きであることを感じさせた。
●次の場面で、銅像建立当時の様子を映し、西郷隆盛の妻に「この銅像はうちの人とはぜんぜん違う」と言わせるところ。ここで視聴者に、西郷隆盛のイメージとは一致しないかもしれない物語がこれから始まるのだという告知をした。これで外見上のイメージがつながらない鈴木亮平の登場にも説得力が出た。
●渡辺謙には何をやらせてもよい。特に良かったのは、天狗が「口止め料だ」といって懐からカステラをくれたところ。あれポッケにいれておいておやつに食べるつもりだったのかな??斉彬様可愛すぎない????カステラたべたい
●斉彬様だけは江戸育ちなので劇中でも標準語なんだね。他の人達のセリフは鹿児島弁でかなり把握しづらいので、なおさら説得力が際立つ。
●沢村一樹もわりと何をやらせてもよいのかもしれない。お侍姿が似合っていた。小吉の先生的ポジションな赤山靭負(あかやまゆきえ)役。今後の活躍に期待。
大河たのしいね、なかよし