#たのしいね

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【本】なかよしの愛読書、橋本治の『二十世紀』

二十世紀(上) (ちくま文庫)

先日、訃報があった。

作家 橋本治さん死去 小説「桃尻娘」など執筆 | NHKニュース

橋本治さんは、きっと多くの方が影響を受けたであろう文筆家であることは間違いなく、ツイッターなどでそれぞれに偲んでいる人をたくさん見かけた。

私もそんなひとり。

ツイッターで連投した本について、せっかくブログをやっているのでここにも同じようなことを書いておく。

 

あなたの愛読書はなんですか?

『愛読書』なんて言葉がある割には、そんなもの決めてて、何度も読んでるような人あんまりいないと思うんだけど。

もし私がそれを尋ねられたら、橋本治さんの『二十世紀』という本を挙げることにする。

一時期、お風呂に本を持ち込んで湯船でしわしわにさせながら読む、ということをしていた私は、この『二十世紀』の文庫版を、上下巻を通して少なくとも3回以上は読んだことがある。

だから述べでいうと、6冊分以上ってことになる。

同じ本をこんなに繰り返し読むことは、私の人生でそうそうなさそうなので、「愛読」という言葉の響きに最もふさわしいんじゃないかと思うのだ。

 

それってどんな本?

『二十世紀』がどういう本かというと、基本的にはエッセイの本だ。

二十世紀の100年間について、1年ごとにひとつずつ、出来事や橋本治さんの思うことが書いてある。

だからたまに「なんにも思いつかないような年だ」みたいな回もある。そういうところがすごく良いと思った。

うろおぼえだけど、週間しか何かの連載の企画で、やっていたらしい。

1年1年毎に区切りがあるので、どこからでも読み始めやすく、どこからでも読み終えやすい。

数年前や数年後の話題が気になったら、好きに戻ったり進んだりすることもしやすい。

お風呂や移動の合間に読むのに、こんなに良い本もなかなかないと思うのだ。

 

 

橋本治さんについて

私は、もちろん面識もないし、人物としての橋本さんをよく知ってるわけではない。

小説も書いているのだけれど、私はエッセイストとしての著書ばかりを読んでいたので、やっぱりよく知らない。

でもとにかく、すごくわかりやすい文章を書く人だったと思う。

大層に見える話題も、小さく小さく分解していって、小さなところから大きな見解を丁寧に示してくれるような人だった。

初めて読んだのは、マドラ出版という今はもうない出版社が出していた『月刊広告批評』という最高の月刊誌にあった『ああでもなく、こうでもなく』というタイトルの連載だった。

私は広告、CMやポスターが解説されてたり考察されてるのが大好きなよくわからない子どもで、『月刊広告批評』はよく読んでいた。お小遣いが限られてるので毎月は買えなかった。まあその話はいいや。

橋本治さんは、あんまり広告とは関係なく、そのときどきの時事ネタについて、のびのびエッセイを書いていた。

そのエッセイが面白くて、たしか最初は本屋で見かけた新書だったと思うけど、もっと読みたくなったので買って読んで、本も面白かったので、次、次、という感じで手に取っていった。

なるほどこういう考え方もあるのか、みたいな、ありがちな感想もしばしば抱きましたけど。

私は「文章はこんな風に書いて良いんだな」とか、「何かを説明するのは、こういう風にやればいいんだな」と思ったものでした。

 

だからもしあなたが、いまここまで読み進んで、私が伝えたかったことをすこしでも読み取ってくれていたら、大部分は、橋本治さんのおかげではないかと思います。

 

人が死ぬこと

この記事の最後に、webで読める橋本治さんの連載の、死にまつわる回を紹介します。

よかったら読んでみてね。

【第49回】人が死ぬこと|遠い地平、低い視点|webちくま

この連載の書籍もまもなく出る予定▼

 

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この記事を書いたのは、なかよし