神慮めでたく!
大隈記念大講堂こと早稲田大学スタディオンに行ってきました。
何をしに?
古代ギリシャ研究家の藤村シシン先生の講演を聴きに、です!
藤村シシン先生について
この講演の登壇者、藤村シシン先生が何者か、という話だけ軽くいたしましょうね。
今日の講演で説明されていたのは2年くらい前に上野の東博でやっていた「特別展 古代ギリシャ」の監修をやってらっしゃったというあたり。
NHKなどでの各種市民講座なんかも大変人気だそうですし。最近だとアサシンクリードのオフィシャル解説員としてお知りになった方も多いのでは。
私、シシン先生のファンなんですよ。
先生のことは、古代ギリシャ研究者であると同時に、古代ギリシャ実践活動家だとも思っている(笑)
ご著書『古代ギリシャのリアル』が出るちょっと前くらいからだから、もう4~5年くらい経ってると思うんですけど、藤村シシン先生のツイッターもずっとフォローしていて。
最新の考古学的知見でもって現代から古代ギリシャを、あるいは深い教養や文化的価値観でもって古代ギリシャから現代を再発見するような日々活動について、興味深く楽しく見守っているわけです。はっきりいってむちゃくちゃ面白い。
とはいえ、私はこれまでご著書の他にはせいぜいツイッターとラジオくらいでしか、ご活躍に触れてこなかったのですが。
ツイッターで流れてきた告知情報を見掛けて、都合つきそうだし比較的近所だし、行ってみようかな!という気になりました。
【10/11夜】早稲田×スポーツ×古代ギリシャ!
— 藤村シシン10/11早稲田オリンピア講演 (@s_i_s_i_n) October 8, 2018
早稲田大学での無料講演、3日後です!テーマは古代オリンピック、これぞ古代ギリシャの真髄!予約不要、無料です!大隈大講堂という名の競技場にどなたでもぜひお越し下さい。https://t.co/EB9XA6qu1M#早稲田オリンピア#早稲田文化芸術週間 pic.twitter.com/0wHBpHmPRO
関係ないけど最近私、隙間を縫ってがんがん映画館に行きまくってる影響で、そういうフットワークが軽くなってきてるのを実感します。
どんなイベント?
「早稲田大学文化芸術週間」というイベントの一環だそうで、入場無料、予約不要で1時間半という太っ腹講演でした。
配られたしおりのようなものは、裏面がプログラムになっているんですけど。
なんのプログラムかといえばこの講演ではなくて古代ギリシャ時代のオリンピックの日程表になっている。
会場となった大隈記念大講堂を古代オリンピックの催場「スタディオン」に見立て、追体験しようという内容でした。というわけで数百人の私達は、4万人の熱狂する観客としてオリンピアへと想いを馳せたのあります。
感想とかメモ
最初にね、シシン先生は運動とかオリンピックに興味がなかった、なんなら憎んでた。けど卒業旅行で現地に飛んで、現地の遺跡を見学したら、これが古代ギリシャの人々が眺めたかった景色と思ったら涙が出た。みたいなお話があって。
そんな振りじゃないとおもうんですけど、スクリーンに写った空の写真を観たら私も軽泣きそうになりました。
そのあとはもうだいたいずっと笑ってましたね!
講演の詳しい内容はもちろん、現場へ行けた人だけのものということでもあろうし、なにより全部は書けないんで書きませんけれども。
とにかく自分の振り返り用ということで、箇条書き程度のメモを残します。
・古代ギリシャ人にとってオリンピックは熱狂的イベント。国家の危機よりオリンピックのほうが大事!入場制限時のディズニーランドくらい人気!
・オリンピアの街はオリンポス山とは関係ないし、めっちゃ離れてる。
・古代には聖火式はない!あれは現代オリンピックの文化。
・裸は文化。正装。
・裸で走ったやつが勝ったから裸が定着した。
・肉ばかり食ったやつが勝ったときは肉ばかり食うのが流行った。
・古代オリンピックの開催は夏至から2週間後の満月を挟んで前後2日。古代ギリシャでは都市ごとに暦が違ったので、待ち合わせるにはこういう言い方しかなかった。
・ちなみに真夏で古代ギリシャもむっちゃ暑い。ハエが多い。
・選手は1ヶ月前から地獄の合宿をしている。
・選手の入場コースに並ぶ神像は競技違反の罰金でできてる。
・1日目:開会式。そのあと午後はいろんな演説とか。
・2日目:戦車競技、もちろんめっちゃ危険、死ぬ。五種競技、立ち幅跳びで残されている記録は16mまじか。夜は英雄に祈り。
・3日目:百牛犠牲、牛をめっちゃ殺す。ハエがわく。対策にはハエ殺しのゼウスを拝む。徒競走、右手と右足、左手と左足を揃えて走るのが美しいフォーム。
・4日目:格闘技デー。レスリングは相撲みたいなやつで、いちばん死ににくい。ボクシングは顔面攻撃オンリーでやるし歯が折れたら隠す。パンクラティオンは特にルールはない、もちろんめっちゃ危険、死ぬ。
・5日目:閉会式。祝勝歌は「お前がえらいんじゃない、お前の地元やお前の地元の神のおかげだ、調子に乗るな」みたいな歌詞。
・なぜ古代ギリシャ人はオリンピックに熱狂するのか?「それは人生そのものだから」―エピクテトス
いやー面白いお話が聞けました。楽しかったです!
藤村先生、企画運営してくれた早稲田大学の皆様ありがとうございました。
個人的にはもっとポスティオンとか包茎の話が出るかと思っていたけど?
そうでなくとも時間いっぱいだったし、時間制限を考えれはしょうがないですよね。全裸で運動することこそ文明人である証だった、程度にぎりぎりにおわせた感じでしょうか。
私さ、さいきんほんとさ、アサシンクリードやりたくなってるんですよね…テルモピュライ観に行きたい…!!
早稲田大学スタディオンに行ったのは、なかよし。