でーん、でーん、でんでんでーん、、、
ででーーー!!!!!!
1968年公開の、あの超有名SFムービーが!
IMAXでリバイバル上映されるとずいぶん前から告知されていました。
いよいよそのときが来ましたね。2週間限定上映だとか。
うおーこりゃーしょーがねー、観るっきゃねー、なぜなら小学生の頃くらいに観たような観てないような気分だし…ていうか観てないし…でも名作なんでしょ?
ほとんど何も知らずに観に行きました。
そしたらどんな目に合ったか!?
体験として、めちゃんこ面白かったので、思い出をここに綴る。
1968年に描かれた2001年を2018年の今、劇場で観るということ、とは?
目次▼
- 休憩が入る上映時間の長さ!
- 上映前から異音!
- 上映中も異音!
- 「もう十分ですよ」と思ってからさらに10倍くらい続く映像と音
- 1968年に描かれた2001年を2018年のいま劇場で観るということ
- これから劇場に見に行けそうな人へ
- 町山智浩さんによる「2001年宇宙の旅」解説動画!
休憩が入る上映時間の長さ!
まあねえ、チケット買う時点で知ってたんですけど、予定上映時間が2時間55分。
それってほぼ3時間。
とはいえさ、「インフィニティ・ウォー」とか、「バーフバリ」もそんくらいあるからさ。余裕余裕って思ってた。だって名作なんでしょ?
でも入り口にあったこの案内を観るまで、途中休憩が入るのは知らなかったな。
途中で休憩が入る映画なんか、七人の侍くらいしか観たことなかったよ。劇場で体験できるなんて最高だ!
くらいに思ってました。
実際に、始まるまではね。
上映前から異音!
普段どおり、新作予告編がいくつかあって、映画泥棒が踊ったあと。
劇場が暗くならないまま、スクリーンの映像が切れてなんかこう、音楽とは言い難いような異音が大音量で鳴り続ける…。
ああこれ上映トラブルだ?
ずいぶん長いなあ、劇場の人、気づかないのかな?キョロキョロ、軽くざわざわ、も、収まった頃に唐突に消灯&本編スタート。
まじすか!
でもって、その異音、休憩終わりにも鳴ってたので。
ああこれ上映開始のチャイムみたいなもんなのか、と思いました。
上映中も異音!
いずれにせよ正常に上映されてるときになる音だからさ、異音と言うのは語弊があるのかもしれない。
でもまあこれまで普通に生きてきたり劇場にちょっとやそっと来ている範囲では、あんまり聞かないような音って異音でしょ。それが鳴り続けるシーンがたくさんあるのよね。
私にとってはどちらかといえば不愉快な音だし、たぶん人類みんなにとっても概ねそうだと思う。だから異音ちゃ異音なんだけれども、それが素晴らしいんだっていわれたら素晴らしいのかも知れない。
たぶん私が異音って呼んでるものの大半は、効果音じゃなくて曲、映画用のサウンドトラックだろうなって思ったし。
そういうノイズミュージックみたいなのが最先端とか、音楽藝術の未来系みたいに、思われてた時期があったのかなあとか、いろいろ想像をめぐらした。
あとこれは異音じゃないんだけど、映画の映像が終わって劇場が明るくなってからもBGMが鳴り続けてるの、斬新だなって思った。昔の映画なんだけど。斬新。
「もう十分ですよ」と思ってからさらに10倍くらい続く映像と音
音のことばかり話してきたけど、映像の方もかなりすごい。
どのシーンも、今の映画の感覚からすると非常にゆっくり、ずーっとやってる。繰り返せることならほんと、何回でもやってるなー?ってなる。
繰り返してるから重要なシーンなのかな?って最初は気にしてたけど。観てたらぜんぶがぜんぶそんな調子だから、ほんとすげえな、どうなっちゃうのかな、ってワクワクしながら観てたけど。
昔の人の時間軸とか映画体験、現代人とここまで違うのか~ってどんどん感動してきてさ、もちろん「2001年宇宙の旅」が平均値とは思わないけど。
全然、話、進まないもんな。説明してくれないのかと思ったら案外、見てればわかるようなことをセリフで説明してくれたり。
むしろ説明してくれないと分から無さそうなことはどんどんすっ飛ばされていから、なんかテンポ良い?みたいな錯覚を覚えるけど。
冷静にさらってみると、お話ぜんぜん進んでないと言えば進んでないようなものなのよね。
いまリメイクするなら1時間に圧縮してそれなりに面白いんじゃ?とか思うけど、きっとこの映画が歴史に刻まれている経緯は、そんな圧縮したら薄まっちゃうんだろうなという気もします。
1968年に描かれた2001年を2018年のいま劇場で観るということ
観終わったあとの感想としてはさ。
「ああこれは、1968年を体験したんだな」って、思ったの。
未来を描いた映画を観たというよりも、間接的なタイムスリップ。
映画単体の評価としては、素直に面白かったとはとても言い難いのが正直なところ。単純な印象としては、相当ひどい目にあったな!という部類でした。
バランスがいびつ過ぎるでしょ!
だって本編はどう考えても冗長だし、音響が悪趣味過ぎるし。
ファンファーレがたまに豪快に鳴り響くのはすこぶる気持ちいいけど。
いっぽうで、びっくりする緻密さとか巧妙さが伝わる、SF的なディティールとか、ところどころの映像の美しさが、半端じゃない。ものすごい。
ただし、肝心のお話はぜんぜん分からない。これ絶対、分からせる気ないもんな?って思っちゃうくらい。完全に変。
でもさ、これがさ、劇場公開された時代とか。いまIMAXでリバイバル上映されるほどの評価を得ている理由とかさ。あれこれ考えだすと、面白くてしょうがないよね。
そんなメタな考察抜きにして、映像だけ観ててもさ、CGがない頃にこれ、どうやって撮ってるんだろうとか気になるものがたくさん。メイクとか服装とかも面白いし。お猿さんが明らかに着ぐるみでハートフル。
宇宙船もやたらパッキリしてて、かっこいいっていうか、なんだろう、説得力がすごい。パワーがある。
ガジェット的なものに目を向けると、大型でカラーの液晶ディスプレイがない頃にどうやってそういうものを表現してるのかとかさ。声紋認証とかタブレット型の映像端末とか。
すげーすげーって思ってみてた。
傑作って呼ばれることにはまったく同意できるのよね。
そんなキレキレの映像に合わせてさ、急に庶民的というか、なんか現代と地続きな描写が入って、人間の営みって気にさせてくる。宇宙電話とか、宇宙的なスチュワーデスさんとか。
なるほど無重力で歩くにはそういう風にするのかーとか、ご飯はそんな感じか、とか。お子様服装ふつうだなー、あ、電話料金そのくらいね、とか。本編と関係ないディティールが充実しすぎてるよね。でもありゃあ情報として魅力的だ。
飛行機みたいな轟音と共に、きらきらした航空映像?なんだろう、加工された映像が、きらきら流れ続けるシーンなんか、すげーですよね。ありゃーすげー気分だと思う。
わかるところとわからないところの落差がすごいよ!
当時観てた人は、ほんとに宇宙旅行してる気分を、味わえたんじゃないかなと思うんですよねえ。
そんな映画で描かれた未来を、とっくに追い越した現在に生きる私。
その通りになってる未来もあれば、まだまだ届かない未来も、ぜんぜん先に進んでしたった未来も、いろいろありますね。
こうやって振り返って眺められる2001年宇宙の旅は、2018年から1968年を味わうためのタイムマシンだったんだ!とか思うから、やっぱり楽しかったな。
ほんと、観に行けてよかったです。
これから劇場に見に行けそうな人へ
映画『2001年宇宙の旅』をIMAXで観てきました。すすすスゲーー!強烈~~~!! なんていうかよほどの覚悟や諦めが伴わない限り、どなたかとお誘いあわせて観るのにはおすすめできません。特に若きほやほやカップルはだめ、絶対!!!
— なかよし (@TkyND) October 30, 2018
観てるうちにどんな気分になるかわからないから、散るならひとりで散ったほうがよいのでは、というような意味。
実際、途中退席したまま戻ってこないお客さんが、何人かいました。
私は最後まで観て、むちゃんこぐったりして、よろよろとバーガー・キングに寄りました。お腹減ってないような気分だったけど食べたら減ってた。
『2001年宇宙の旅』がリバイバル上映されて一番良かったなーと思ったことはガチ勢の皆さんの「別に寝てしまってもいい」という意見を多く聞けたことです。何回見ても寝てしまう俺の心が救われた。
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) October 31, 2018
あと、こういうお声もある。いろんな気持ちがあって良い!
https://twitter.com/vinyl_tackey/status/1057451915997405185
町山智浩さんによる「2001年宇宙の旅」解説動画!
wowowのyoutubeチャンネルで、映画評論家の町山智浩さんによる解説動画を見つけたので僭越ながら紹介させて下さい。
これ、本編を観終わってから観たら、分からなかったこととかスルーしちゃってたことがどんどん分かって、最高なやつですよ。
なんなら観る気がなくても解説自体が面白い。
ラジオ気分で聴けるので、どうぞ!
予習編▼28分
復習編▼57分
映画たのしいね、なかよし☺